「世界のはじまり」ご感想、コメント

タムラ堂へお寄せいただいた「世界のはじまり」についてのご感想を少しづつご紹介させていただきます。

 

~~~~~~~~~~~~~

<みやこうせいさんからのコメント>


これは壮大な地球の創世紀の話。しかも現代に脈々と連なるたましいの物語り。水がこの世にほとばしり出て、青いカラスにいざなわれ、大気があたりを被い、ついで泥が現われる。泥は七種類の土のもととなるそうだ。

 

作者はまるで創世紀のカンタータを謳っているかのようだ。この絵本は円形、曲線が基調となっている。何やら輪廻とも名づけるべき原初の空間を思わせる。時への思いが文と絵によって表現される。来りて去る生命へのオマージュでもある。動物が卵から生まれる。一粒一粒の種がふくらみはじけ、植物がこの世を埋め尽くす。

 

時の悠々たる流れ。人は泥からさまざまな形のものを作り出す(芸術の誕生)。神話の聖なる鹿の角が長じて木にかわり、その枝で人が楽を奏で舞う。家を建てる。鳥が来て憩う。カメまで枝を上ってくる。ハリネズミが木の梢につかまっている。いのちのシンフォニーだ。この絵本はいわば、原初の思想の本。年令にかかわらず自分の立ち位置を知らせてくれる。自然に寄り沿い生きることの大切さ、謙虚さについて人は悟る。太陽をあがめ大地をひしといとしむゴンド族の自らなる心情、それのもたらす具象といったものが感動を呼ぶ。何度もページをめくり、前に会ったゴンド族のたましいを、今、改めて反芻し、思いに耽っている。すばらしい絵本である。

 

みやこうせい)

 

 

 

 

  『世界のはじまり』が手元に届き、数日の間で 既に何度 本を開いては ページをめくったかわからない程 何度も何度も読んだり眺めたりしています。

 

 タムラ堂さんから、絵本が届き 封を開けて カバーをはずし 開くと、少し紙がよれていたり、少しかすれていたり、、、この絵本は どれだけの人の手で造られ どれだけの人の手に渡り 私のところに届いたんだろう…と考えると、心が暖かくなり わくわくしました。普段 本を手にして感じる事のないものでした。

 

 シンプルで とても深く、厳かで 躍動的

 

 世界のはじまり というか、世界そのもの そして叡智が この絵本に詰め込まれている と感じました。

 

 これが 真理というものなのかしら、と。

 

 初めは ビジュアルだけで、手にしてみたいと思っていましたが 日本語訳の『世界のはじまり』を選んで、とても良かったです。

 

 とかく複雑な世の中で さもすると煩雑になってしまう心ですが、シンプルでストレートなメッセージを 受け取りました。

 

 表紙の色づかいも、静寂の中で 産まれ出る時を待つ命、静かでありながら 何かはじまりそうな 心がざわざわする感じがして好きです。

 

(Kさん)

 

~~~~~~~~~~~~~

 

 

 私はこの度のイベント(注・12/3に荻窪の6次元にて開催されたタラブックスナイトというトークイベント)でタラブックスの本とタムラ堂さんを知りました。6次元さんのイベント告知ツイートで拝見した『世界のはじまり』の表紙の魚の絵に一瞬で恋に落ち、即イベント参加申し込みをしたのですが、本当に本当に参加できてよかったです。

 

 紙から製本まですべてをハンドメイドしているタラブックスの本が出来上がるまでのお話やその様子の映像、日本でのタラブックス出版に携わっているタムラ堂さんや他の出版社の方々の本作りに対する想いに、心から感動しました。

 

『世界のはじまり』は装飾的でユニークで色鮮やかで力強い絵の美しさと、生きとし生けるすべての物への愛に満ちた哲学的な物語に、心が震えました。

 

 トクトク、心臓の音が聞こえてくるようで、あったかくて、なつかしく。

  ずっとこんな本があったらいいなと思ってました。匂いも好きです。心地良いです。卵型にくり抜いたカバーも好きです。

 

 手書きのシリアルナンバー入りなのも嬉しく、子どもにかえったように枕元に置いて毎晩眺めて眠っております。宝物になりました。

 

 本当にタラブックスの絵本に出会えてよかったです。日本での出版にご尽力いただき心から感謝いたします。

 

『夜の木』も探してみます!そして、これからもタムラ堂さんの本を楽しみにしております。

 

 (Sさん)