『世界のはじまり』の出荷作業がひと段落しましたので、
先日、2泊3日で京都へ行ってきました。
東京で見逃した藤田嗣治展を京都で観ようというのが主な目的でしたが、
少しでも東京を離れてのんびりしたいというのが本音でした。
ところが、ゆったりと過ごすつもりが、結局のところ、
なにやら慌ただしく動き回る旅となってしまいました。
藤田嗣治展は、そこそこ混んでいましたが、ゆっくり観ることができました。
藤田の画業のほぼ全貌を見渡せる充実した展示でしたが、
なによりも、藤田自身の生きざまに改めて興味をひかれました。
藤田の例の「乳白色の下地」による裸婦はこれまでにも目にしていましたが、
今回は繊細で流麗な描線に注目しました。
また、比較的初期の静物画も素晴らしかったです。
やはり、京都まで来たのだからということで、
恵文社一乗寺店、誠光社などお世話になっている書店や、
風の駅、のわき、などにも立ち寄り、楽しい時間を過ごすことができました。
祇園の何必館では、ロベール・ドワノーの写真展を見て、
ついでに魯山人の器に見入ってしまいました。
ドワノーは、パリのはずれの街モンルージュで暮らしたのですが、
9月に訪ねたアントワーヌ・ギヨペさんのお宅が同じ界隈だったので、
なにか親しみを感じました。
こんな風にのんびりと過ごす年末は本当に久しぶりです。
ゆったりとしたペースで歩むのがタムラ堂のスタイルだと思っていますので、
このくらいの緩やかさがずっと続くといいなと思いました。
来年は、まずは、『太陽と月』の2刷が年明けに出来上がる予定です。
どうぞ楽しみにお待ちください。