ボンジュール フランスの絵本たち

猛暑の中、うらわ美術館に行ってきました。
フランスの絵本、特にペール・カストール文庫をとりあげ、中でもロシア系の画家たちの作品に焦点を当てた企画は、大変興味深いものでした。ババールを同時に展示したのは、ちょっと違和感を感じましたが。

 

ナタリー・パランの原画を見る機会はそうはないと思います。ちょっとぞくぞくしましたね。ロシア・アバンギャルドの最良の部分がフランスの絵本界で花開いたという感じです。

「バーバ・ヤガー」は、日本語版も原書と同じ大判の美しい印刷で出しなおしてほしいです。

エレーヌ・ゲルティックの作品に触れることができたのも収穫でした。

それにしても、ポール・フォーシェ氏がフランスの絵本界(あるいは世界の絵本界)で果たした功績に改めて感心しました。

 

もっとも、今回の展覧会は「フランスの絵本」の全貌を示しているわけではありません。

この些か偏った企画自体、とても面白いと思いますが、個人的には、

アンドレ・エレやメイ・アンジェリ、あるいは、レオポルド・ショヴォーなども

取り上げてほしかったです。アンドレ・フランソワやジャクリーヌ・デュエムなんかも

いいですね。

フランスには、あまり知られていないけれど、面白い才能が潜んでいます。

そのあたりに光を当てた展覧会を期待したいです。