パリ、ボローニャ紀行(4)

パリからボローニャへ移動しました。

夕方、市内のホテルにチェックインして、さっそくボローニャの旧市街をぶらぶら散策していたら、なんとフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」の展覧会に行きあたり、せっかくだからということで、入場してみました。ボローニャでフェルメールを観るというのも不思議な気がしましたが、日本で見逃していたのでちょうどよい機会でした。

混雑もなく、ゆっくりと観ることができました。日本では考えられないですね。

複製で見ていたのでそれほど期待はしていませんでしたが、実物は、思ったよりもよかったです。モデルの少女の視線がどこから見てもこちらを見つめているような気がして、

なんだか妙な気分でした。映画にもなりましたが、画家と少女の関係に思いを

巡らせしまいそうな絵ではあります。

 

ところで、ボローニャといえば、なんといっても画家モランディーです。

生涯この町から出なかったというモランディー。ひたすら壺や壜や水差しなどを

淡々と描き続けたこの画家の作品にはずっと魅かれていました。

震災のため日本での展覧会が中止になったこともあり、今回、また、

ゆっくり見たいと思っていました。

マジョーレ広場に面した市庁舎の一角にあったモランディー美術館は、

改装のためか、市の近代美術館の中に移動していました。

探し当てて入ったモランディーの展示室は、期待が大きかった分、

ちょっと当てが外れた感がしました。

作品自体は、まぎれもなくモランディーでしたが、

それらを展示してある近代的な建物の空間そのものが

なんだかよそよそしくて、居心地の悪さを感じてしまいました。

以前見た、画家のアトリエを再現した部屋もなく、残念でした。

それにしても、多くの人がモランディーの作品の本質を言葉で表現しようと

試みていますが、まずは、言葉を離れて作品の前に立ち尽くすことに

したいと思いました。

 

さて、今回ボローニャに来た一番の目的は、フェルメールでもモランディーでもなく、

ブックフェアーをのぞいてみることでした。ブックフェアについては、次回に。