福生のギャラリー オルタンシア(カフェ・ドゥ。ジャルダン福生西口店内)で、「ノルシュイテンさんの絵本づくり」展が始まりました。
ノルシュテインさんが日本で出版した2冊の絵本『きりのなかのはりねずみ』と『きつねとうさぎ』に関する展示です。原画展というのではなく、この2冊の絵本が出来上がっていくプロセスが貴重な資料(コピーや複製画中心)で紹介されています。
絵コンテやらラフスケッチ、使われなかった表紙絵など、
普段目にすることのない展示物が面白いと思います。
特に、絵を担当しているパートナーのヤールブソワさんのラフスケッチ
(『きつねとうさぎ』)は、ダイナミックで生き生きしていて素晴らしいです。
アニメーションと絵本は、一見近いような表現形式ではありますが、
実は、決定的な違いがあるということを改めて認識しました。
ノルシュテインさん自身も指摘していますが、時間の流れに関することです。
アニメーションの場合、作り手(監督)が作品の時間の流れを
コントロールしていますが、絵本の場合は、時間の流れは
読者にゆだねられるということです。
したがって、絵本は、どういう場面をどのように描くかということが
とても重要になってきます。場面と場面のつなぎ方、「間」をどのように
使うかも苦心するところです。物語全体の展開のリズムにかかわってきますから。
そんなことを気にとめながら楽しんでいただけたら幸いです。
円空賞を受賞されたノルシュテインさんへのお祝いの気持ちをこめた、
ささやかな展示です。
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