さて、インド到着3日目、Tara Books (ターラー・ブックス)を訪ねました。
Tara Books (tara とは「星」という意味だそうです)は、「夜の木」の原書 The Night Life of Trees を出版した出版社です。
子どもも大人も楽しめる絵本を中心にユニークな出版活動を展開していて、国際的に注目されています。
特に、ハンドメイドブック、つまり手作り絵本のシリーズは高く評価され, さまざまな賞を受賞して、世界中で絶賛されています。
「夜の木」は、その中でも特別な絵本だと僕は思います。まるで奇蹟のような絵本だと。
Tara Books とは、これまで、数え切れないほどのメールをやりとりし、お互いに信頼関係を築いてきているので、なんだか古い友人を訪ねるような気分でした。
引っ越してからまだ日が浅い Tara の新しいオフィスは、チェンナイの中心からベンガル湾沿いに少し南下したところでした。
ホテルからタクシーで行ったのですが、運転手はこの地域は不慣れとみえて、道の真ん中で牛がのろのろと歩いていて、一向にどこうとしないような細い道を迷いながら、やっと辿り着きました。
Gita(ギータ)さんとArumugam(アルムガム)さんが笑顔で出迎えてくれました。
Gita は、Tara Books の代表で作家でもある、知的で魅力的な女性です。
Arumugamu は、制作の責任者です。シルクスクリーン印刷や製本などを統括する、穏やかな雰囲気の男性です。
Tara の新しいオフィスは、小じんまりした4階建てのビルで、
機能的にもデザイン的にもよく考え抜かれた、素敵な建物でした。
まさに Gita の思いがそのまま形になったような空間です。
1階の入口を入ったところでは自社出版物の展示・販売、
その奥は、ギャラリーとイベントスペースになっています。
展覧会やらワークショップ、講演会などが行われるとのことでした。
吹き抜けの壁に大きな壁画が描かれていました。
この壁画(写真)を描いたのは、「夜の木」の画家のひとりですよ。わかりますか?
2階は、ミーティングルームと事務スペース、3階は、編集・デザイン室、
そして4階には、ゲストのための宿泊施設もありました。
屋上からは海が見えました。海からの風が感じられました。
Tara は、作家やデザイナーやアーティストなどの共同体ようなもので、
しかも女性が中心の会社です。
新しい形の出版社、とういうか、出版社というのは元々こういうものだったのでしょう。
インドの地で、こんな出版社に出会えて、嬉しくなりました。
コメントをお書きください