ペトルチアーニの神話的世界

昨日の日曜日、降りしきる雨の中、渋谷まで行って、映画を観ました。

映画館はイメージフォーラム。「情熱のピアニズム」という映画です。

なんと満席状態でした。

 

若くして亡くなったフランスの天才ジャズ・ピアニスト、

ミシェル・ペトルチアーニのドキュメンタリー映画です。

 それにしても、なんとすさまじい生き方でしょう。

身長が1メートルしかない、いわば生まれつきの障害者であり、

異形とも言うべき容姿。

その小さな体から迸るエネルギーには圧倒されます。

 

ペトルチアーニの生きざまを痛々しいと感じるか、

あるいは、そこに神話的で祝祭的な神々しさを感じるかは、

受け取る側の身の置き方によるのでしょう。

ぼくは、後者のような感想を持ちました。

 

映画の中で、多くのミュージシャンたちが、

ペトルチアーニの激しく力強い奏法、

情熱的なピアニズムを絶賛していましたが、

それはもちろんそうなのですけれど、僕は、

ピアノソロの繊細で美しい音色にこそ

彼の神話的な世界を感じます。

 

映画そのものは、とてもうまく構成されていますが、

音楽のことよりも、むしろ女性のことや、障害のことなど、

彼の生きざまに焦点を当てているように感じました。

ですから、家に帰るやいなや、CDをプレーやーにセットしました。

彼の人生ではなく、彼のピアノをじっくり聴きたくなったのです。

 

http://www.pianism-movie.com/