一昨日、久しぶりにブルー・ノート・トーキョーに行きました。
タムラ堂のスタッフKと親交のあるフランスのアコーディオン奏者、
リシャール・ガリアーノさんの公演でした。彼の率いる七重奏団との
ピアソラへのオマージュ。素晴らしい演奏でした。後半、寺井尚子さんが
加わり、大いに盛り上がりました。
アコーディオンという楽器は、日本では歌の伴奏のための楽器のように
思われているふしがありますが、その多彩で変化に富んだ、
時には情感たっぷりの音色、驚くべき楽器です。
かつて『ウルガ』という映画でモンゴルの少女が演奏するアコーディオンに
感動した人も多いのではないでしょうか。
といっても、その楽器の特性上、どうしてもやや単調になりがちで、
音自体も深みを欠いてしまうのは止むを得ないのかもしれません。
ところが、今回の弦楽器とピアノを加えた七重奏は、バランスが絶妙で、
メリハリがきいていて、奥行きもあり、しかもなんといってもピアソラですから。
感動的な演奏でした。
そして、なかほどで演奏されたリシャールのソロによる
「リベルタンゴ」はとにかく圧巻でした。このピアソラの名曲を、
誰にも真似のできないくらい深く自らの肉体と一体化させているリシャールの演奏は
まさに名演というべきものでしょう。
日本でもリシャールの演奏の素晴らしさにやっと人々が気がつき
最近では大人気だそうです。
きちんとしたことをずっと続けていれば、いつか人々はその良さに気がつくということを
肝に銘じたいです。
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